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かがくほうほうろん

科学方法論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《科学方法論(かがくほうほうろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,035 字 · 284 頁

青空文庫

そのような分類は分類の目的――学問の性格の理解――を果す望みがない。であるから分類の原理は、学問概念それ自身の内から、見出されなければならない。例えばダンテは詩人らしい着想によって、十個の天体の区別を以て十個の学問の分類の標準とした。かくて彼によれば、月と文法学、水星と弁証法、金星と修辞学、太陽と算術、等々が類推によって対応せしめられる。併しこのような着想は無論、分類の名に値するような何の分類をも、直接に結果することは出来ないであろう。何となれば、天体が学問概念にぞくすことを想像することは少しも学問概念と関係のあることではないからである。

学問は常に何かの目的を有つであろう、目的を有たない学問はあり得ない筈である。併しそうであるからと云って、学問が常に学問ならぬ他の何ものかの手段でなければならぬということにはならない。なる程学問は吾々の生活に何かの意味で役立つのでなければならない、そうでなければ吾々が学問を必要とする理由は元来何処にもありようがないのであるから。併し実は学問それ自らが却って一個の或いは一部の生活それ自身ではないのか。そうすれば学問が生活に役立つというのは、この場合、学問ならぬ他のものの手段となることではなくして実は学問自らの手段になるということに過ぎない。