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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

線上閱讀蘭 郁二郎《秘境の日輪旗(ひきょうのにちりんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 頁

青空文庫

人間も、日本人をのぞけば、そっくりそのままですから、うっかりしたことは喋れません。そのつもりで……」

「船長、船艙の点検は終えましたが、別に異状はありません。貨物の箇数もきっちり合ってます」

船長の腹心らしい、若い日本人の船員が来て板にはさんだ書類を渡した。

「英夫さん、宮崎君は、去年商船学校を出たばかりですが、これでも柔道三段です」

「いやあ、そんなことをいわれると照れますね」

宮崎運転士は快活に笑った。

「宮崎さん、僕も兄さんも講道館で柔道を習いましたよ」

「田舎の学校でしたが、僕も講道館へ行ったことがあります。同門だとなるとなつかしいですね……皆と一緒ですが、僕の部屋へも遊びに来て下さい」

「宮崎君、今のうちに、ちょっと食事をして来るから、後を頼むぜ」

「承知しました、ゆっくりやって下さい」

船長が行ってしまうと、宮崎運転士は、長い間の知合いのように、

「おやじにも話してあるんですがね、この船の中に、一人二人そぶりの怪しいやつがいるんですよ。証拠がないので尻尾をつかめないんですが、どうでしょう、君があすこへ寝るのを幸いに、気をつけて見てくれませんか、食堂ですから、いろいろなやつが出入りするし顔を合わせるのもあすこなんです。