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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《秘境の日輪旗(ひきょうのにちりんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 頁
波止場のようになった床には、レールが敷かれていて、潜航艇に積むものを運ぶようになっていた。
もっとおどろくべきことには、この建物の奥が、潜航艇のドックになっているらしく、肋木に支えられた潜航艇や、捲揚機や、空中にさし渡された軌道が、ひっそりと休止したままの姿で見えていた。
英夫と、祥子は、あたりに気をくばりながら、トロッコや、ドラム缶の間を縫うようにして進んだ。
と、こつこつ、こつこつというような、規則ただしい足音が聞えて来た。
二人は、すばやくドラム缶の蔭に身を隠した。
足音はだんだん近づいて来た。やはり正確な間をおいて、こつこつ、こつこつと歩いて来るのだった。――何かものごとを考えながら歩いているか、それとも、軍人のように、きびきびした、訓練をうけた人の足音だった。
英夫は、もし、見つかった場合、相手を仆すか、自分が仆れるか、どっちか一つのみちをえらばなければならないと思った。
こんな秘密の要塞を発見された以上、敵は二人とも生かしておくはずはなかった。
相手は歩哨である以上、完全な武装をしているであろうのに、こちらは、何の武器も持ってはいなかった。