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くうちゅうせいふく

空中征服

賀川 豊彦

線上閱讀賀川 豊彦《空中征服(くうちゅうせいふく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,687 字 · 215 頁

青空文庫

「多少の犠牲を払わなければ! 」

と半数までのものが言う。

「多少の犠牲」とは何であるかと尋ねると、国が富むためには煤煙が空中に飛散するくらいのことは辛抱しなければ駄目だと答える。そのために少々肺病が多くなっても、国家の富力を増すためには仕方がないと言う。狸は、

「『高き屋に昇りて見れば、煙立つ、民の竃は賑いにけり』だよ。煙が立つので賑やかなのだ」と叫ぶ。

「討論終結! 討論終結! 」

と隅から叫ぶものがある。そこで、賀川市長は慌てて議長に発言権を求めた。

市長は演壇から議席を眺めてみたが、議席には人間らしいものがおらなかった。すべての議員が動物的に見えた。それもそのはずである。馬と、兎と、狸とが議席に頑張っているほかに鶏も、牛も、豚も、雀も、猫も、鼠も、蝗も、そこにいることに気がついた。「豚に真珠を与うるなかれ」「猫に小判」ということはよく知っている。大阪の市会議員の連中にいくら、都市衛生学を説いたところで、また都市美学を説明したところで、黄金の光に眩惑せられて、何の役に立たぬことを賀川市長はよく知っていた。

ただ大阪人のよく知っていることは算盤である。