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はしがき

童話集 春

竹久 夢二

線上閱讀竹久 夢二《童話集 春(はしがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,531 字 · 97 頁

青空文庫

「そんなこと考えてやしないよ。ただ……」

「ただ心配なんだろう。だって仕方がないよ。遅れたものは遅れたんだから」

「そうさ、銀座へゆこうよ」

二人の小さな中学生は歩き出しました。そこはこの季節によくある、もう春がきたのかしらと思われるような、ぽかぽかと何か柔かい暖かいものが、空気の中に浮いているような素晴らしい上天気でした。

須田町へくると、いろんな人間が忙しそうに歩いています。その間をすりぬけて、トラックだの乗合自働車が、ぶうぶうと走っているので、AもBも、すっかり元気づいて、前をちょこちょこ歩いてゆく女のねじパンのような束髪の上を、恰度木馬を飛越える要領で、飛び越えてやりたいような衝動を感じるほど、二人は元気でした。わけもなくお祭のような気がして、気の弱いAも、なんだか嬉しくなってきたのです。

それに年末の売出しで、景気づけの紅提燈がずらりと歩道の上にかかって、洋品店のバルコニーでは楽隊がマーチをやっていました。中学生達は、口笛で、足拍子をとりながら、肩をくんで、たッたッたッと歩きました。

けむりもみえずウ くももなく

かアぜもおこらず なみたたず

かがみのごときィ こうかいはァ