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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 頁
が、つづいて櫛田医師に懸けると、この方は忙しい人なのでなかなか掴まらず、患家先をそれからそれへと問い合せて漸く連絡がつき、その承諾が得られたのは夕方の六時過ぎであった。幸子は一刻も早い方がとは思ったけれども、そうなればそのようにいろいろ打ち合せもしなければならず、それと云わずに内々憂慮しているらしい貞之助にも、こうなって来たいきさつを話して費用なども出して貰う必要があるので、身柄を移すのは明日の朝の予定にした。で、そのことを西宮へ知らせにやったのが七時過ぎであったが、お春は十二時頃に帰って来て雪子の伝言を告げ、あれから後に又さまざまな事件があったことを語った。先ず病人の容態については、あれから幸子が辞去すると間もなく寒気がすると云ってガタガタ顫え出し、熱が一時は四十度以上に昇ったが、晩方になってもまだ八度内外はあった。リンゲルの注射は、奥畑が電話口に出て斎藤医師にうるさくせがんだので、では兎も角もやって見ましょうと云うことになったが、やがて駈け付けたのはいつもの若先生ではなく、老先生の方で、来は来たものの、診察して見てちょっと考え、まだリンゲルをするには及びませんと云って、折角看護婦が用意しかけたのを中止させ、さっさと注射器を鞄に収めて帰ってしまった。