輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 頁
とが枕元にい、お春が次の間の電気火鉢で重湯を煮ている時であった、只今誰方かお宅のお方らしいお人がいらっしゃいました、お名前を仰っしゃらないんですが、蒔岡さんの旦那様かも知れません、と、この日本館の留守番をしている爺やが取次に来て云った。へえ、貞之助兄さんか知ら? そんなことはないやろ思うけど、………と、雪子が云ってお春と顔を見合せていると、不意に庭の方で靴の音がして、萩の袖垣の向うから、派手な茄子紺の両前の背広を着て、金縁の濃い色眼鏡を掛けて、(彼は眼は悪くないのであるが、いつ頃からか折々伊達に色眼鏡を掛ける癖が附いていた)あの秦皮のステッキを衝いた姿がぬっと現れた。この日本館には病院とは別な玄関が設けられているのだけれども、始めて来る人はそれを知らないで、大概病院の玄関の方から案内を乞うのに、奥畑はどうして知ったのか、此方へ訪ねて来、爺やが取次に来ている間に、勝手に玄関から庭の方へ廻ったのであった。(後で分ったことであるが、奥畑はいきなり爺やに「蒔岡妙子の病室は此方ですか」と尋ね、爺やが誰方さんですかと二度聞いたのに対して、「僕だと云って下されば分ります」