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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 頁
そして、元町で花を買ったが、それを井谷にプラットフォームで渡す役は悦子が勤めた。停車場では、本来ならば相当多数の見送人が賑わってよい筈であるのを、わざと時間を秘したので、割合に淋しい出立であったが、それでも彼女の二人の弟、―――大阪で開業している村上医学博士の夫妻と、国分商店の店員である房次郎夫妻を始め、二三十人はいたであろうか。折角着飾って来た蒔岡家の三姉妹は、あたりの空気に遠慮してコートを脱がずにしまったが、幸子が傍へ寄って行って、今朝は有難う存じました、主人に相談致しましたところ、御洋行の間際になるまで妹のことをお心にお懸け下さる御親切に対しては、何とお礼を申上げてよいやら言葉もない、そう伺えば尚更やけれども、たといそう云うお話がのうても、是非三人で送別会へ出席せないかんところやと申しますので、………と、そう云うあとから貞之助が又重ね重ね礼を述べると、まあ嬉しい、皆さんでお出で下さるなんて、と、井谷はえらい喜びようで、ではきっとお待ちしておりますよ、委しいことは明日必ずお電話しますから、………などと云って、動き出した汽車の窓から挨拶する時にも、又そのことを繰り返した。