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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 頁
が萌しつつあるのを覚えること、そう云えば自分の父なども、老年に及んでから京都を恋しがるようになり、遂に小石川の本邸を捨てて嵯峨に隠棲してしまったのであるが、それを思うと、自分も何か宿命的なものを感じること、趣味の上にもその傾向が現れて来て、自分はだんだん古い日本の建築のよさが分るようになって来たこと、で、自分は将来時機を待って再び建築屋になるつもりであるが、それまでに出来るだけ日本固有の建築を研究して置き、今後の設計には日本的なものを大いに取り入れたいのであること、自分はそれやこれやを考え、事に依ったら京阪地方に職を求めて彼方で暫く生活した方が、研究のために便利ではないかと思っていること、そればかりでなく、他日自分が建ててみたい住宅の様式は、東京よりも阪神地方の環境に調和するような気がするので、大袈裟に云えば、自分の将来は関西にあるとさえ思っていること、―――そして御牧は、もし京都に家を持つとすれば何処を選ぶべきであろうかと尋ねるので、幸子がそれについて意見を述べ、嵯峨のお父様の御別邸と云うのはどの辺におありになるのでしょうか、と云うようなことから、京都に住むなら嵯峨辺か、南禅寺、岡崎、鹿ヶ谷方面に限ると云うような話になり、つい夜が更ける迄しゃべりつづけた。