輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 頁

青空文庫

で、彼女達は、午後二時過ぎに蒲郡の駅へ行き、十四五分の間隔を置いて擦れ違う上りと下りとへ乗って、東西に袂を分つまで、すべて予定に従って行動することが出来た。

雪子は、上りの方が後であったので、三人を見送ってから暫く待って、東京行きの普通車に乗った。彼女はこんなに長い距離を普通車で行く退屈さが思いやられたが、旅館へ急行券の手配を頼んだり豊橋で乗り換えたりするのが煩わしかったので、これで東京まで乗り通すことに極め、鞄の中に入れて来たアナトール・フランスの短篇集を出して開いた。が、何となく気分が重々しく、読むものが頭へ這入らないので、間もなく止めて、ぼんやり窓の外を眺めた。彼女のその重々しい気分は、一昨日からの肉体的疲労に加えて、ついさっきまで皆と面白く打ち興じていた反動であることは知れていたが、一つには、これから又何箇月かの間東京で暮さなければならないと云う考が、胸に痞えているせいでもあった。殊に今度は蘆屋の滞在が長かったために、もう東京へ帰らないでもよいような気持にさせられていたのと、旅先の見知らぬ停車場で急にひとりぼっちにさせられたのとで、佗びしさもひとしおなのであった。