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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

線上閱讀火野 葦平《花と龍(はなとりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 頁

青空文庫

すこし声を大きくして、詰めよった。睨むようにした。

正直のところ、金五郎は、心内、すこし狼狽していた。まずいことになった、と思う。こういう談判の仕方になっては、負けだ。いつもの※の手をよく知っているので、その作戦を練って来たのに、まるで、様子がちがう。こちらが、4とはじけば、※は、1と来る。そこを揉みあって、3に定まれば、大成功のつもりであった。

ところが、普段は、4と置いた玉を、抜く手を見せぬ勢で、パチッと、三つ弾きかえす※が、沈黙したまま、全然、反応を示さない。のみならず、妙に意味ありげな微笑を浮かべている。

金五郎は、すこし、気味が悪くなった。そうなると、一層、いらいらして来て、追っかけられるように、「※さん、男らしく、定めましょう」と、叫び声になった。

「まあ、まあ」と、やっと、相手は口を開いた。

「金さん、あわてることはないぞな」

「あわてはせんけれど、愚図々々するのも、感心しませんでなあ」

「金さん」※は、落ちつきはらって、「どがいにしても、それだけの金が、お要りるかな?」

「要ります」

「じゃが、今は、もう、そんな値段は無茶ぞな」

「いつでも無茶なのは、※さんじゃないですか。