輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

線上閱讀火野 葦平《花と龍(はなとりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 頁

青空文庫

「吉田磯吉じゃがなあ、玉井君は居るな?」

時次郎は、青くなって、晩餐の席に、飛びかえって来た。団栗眼をむいて、声をひそめ、

「オヤジ、大事じゃ」

「なにを、あわてちょるとかい? お客は、誰な?」

「吉田磯吉が、仕掛けて来た」

「吉田親分?」

金五郎も、不審の眉を寄せて、緊張の面持になった。盃を置いて、坐りなおした。

「玄関に、ニュッと立って、オヤジは居らんか、って、訊くんですよ」

「吉田親分が?……一人で?……」

「うん」

「人ちがいじゃないか?」

「自分で、名乗りました。玄関に居るのは、吉田磯吉だけじゃが、表に、誰か、何人も居るようにあった」

「オヤジ」と、松川源十が、「あんた、出らん方が、ええ。おれが出てみる」

「待て」金五郎は、もう立ちかける源十を、押し止めた。「おれが、出る。……お前たち、来ること、ならんぞ。声も立てるな」

金五郎は、身づくろいをし、通路の板戸を閉めきって、静かに、玄関に出た。

無造作な懐手の恰好で、鴨居に吊るしてある提灯や、帳場の壁に貼った、子分連中の勤怠表などを、のんきそうに、眺めまわしていた吉田磯吉は、金五郎を見ると、

「やあ、玉井君、久しぶりじゃのう」