輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わかとのじょなんき

若殿女難記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《若殿女難記(わかとのじょなんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,611 字 · 45 頁

青空文庫

「なにをさように御乱暴あそばすか」

「助けてくれ紋太夫、乱暴をするのはおれじゃあない、この連中が、おれを――」

「いいえお放し申しません」腰元はこう叫んだ。「わたくしお言葉がかかったのですから、今夜はどうしたってお放し申しません」

いやはや、若さまが腰元を引きずっているのではなく、腰元が若さまの手を放さないのである。そればかりではない、寝所の中ではまた四五人の声で、

「あたしはお中屋敷でちゃんとお約束したんです」

「いいえ、わたしのほうが先です」

「なんというずうずうしい方でしょう、なんという」

「放して下さい、若さまはあたしをお召しなんですから」

「なんというずうずうしい」

「お黙んなさいあたしが」

「いいえ放しません、放すもんか」

「お中屋敷ではこうみえても局持ちだよ、へん」

「畜生、放さないかこのあばずれ」

「まあ呆れた、なんてずうずうしい」

「ええこうしてやる」

「あらおやりあそばしたわね、負けるものか」

こういう派手な叫びといっしょに、どたんばたんと取っ組合いが始まり、きいーきゃーとたいへんな騒ぎである。こちらでは若さまが掴まれた手を振り放そうとする、腰元はしがみつく、突きとばして逃げる、泣声をあげて追い駈ける。