輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わかとのじょなんき

若殿女難記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《若殿女難記(わかとのじょなんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,611 字 · 45 頁

青空文庫

「ああ――」紋太夫は馬鹿のように口をあけた、「ああ伝吉、貴様か」

正に伝吉である。この物語の初めに金谷の宿で、朴訥な令嬢たちにもてたあの男である。

「不審が晴れねば申してやろう、そのほう伝吉と余を袋井の宿ですり替えた積りであろう、だがその前夜すでに余は伝吉とすり替っていたのだ、袋井にいたのが伝吉で、あの前夜、金谷からまいったのが余自身であった、――これでもはや云うことはあるまい、増井、角田、小林の三名も罪条を自白しておる、遁れんぞ」

物語はめでたく終り申した。一味の処罰が済んで、腹心の士である宙野や金吾らと、はじめて心おきなく酒を囲んだとき、若殿大助さまにはこのように仰せられたと申す。

「これでどうやら、事はおさまった。みんなおまえたちの助力のお蔭だ、――しかしおれにとって、今なにがいちばん嬉しいかわかるか」

若さまこう云って、にこりとお笑いなされた。

「――それはもう、女を口説かなくともよくなったことだよ」