輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おちばいき

落ち梅記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《落ち梅記(おちばいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,748 字 · 61 頁

青空文庫

受けるとは存じておりますけれど、なにもかも正直におうちあけ申したいのでございます」

「よくわかります、どうぞそのまま続けて下さい」

「千秋さま御自身も」と、由利江は囁くような声音で云った、「――わたくしが来て呉れれば兄の不身持も直る、必ず以前の兄にかえって呉れる、そう信じていると仰しゃるのでございます、わたくしは自分がどれほどの者かよく存じております、到底そのようなねうちがあるとは考えられませんでした、それに、……わたくしには、わたくしなりに、ひそかな夢もあったのでございます」

由利江はこう云いかけて口をつぐみ、そっと手をあげて眼がしらを押えた。自分には自分なりに夢を持っていたという、その言葉の意味はまっすぐに金之助の心へつきとおった。かずかずの古いつながりは別として、母が彼女を沢渡の嫁に迎えるつもりであり、彼女自身もそれを望んでいたことは明らかである。そしてまた金之助がどう思っているかということも、二人にははっきりとわかっていた。由利江がいま口にする言葉はそれをうち壊すものだ、そしてそれがどんなに努力を要するものであるか、――金之助は自分の受けた失望よりも、彼女の気持を思いやって、緊めつけられるようないたましさにうたれた。