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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
線上閱讀小山 清《落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 頁
そして常に人にたよってばかりいる、そういう自分の性質を、来し方を思った。世間の風はいつも私には暖かく、稚な心からいつまでも私は脱けられないのであった。
寒さはきびしかった。私は身も心も震えた。掌はあかぎれがきれた。左掌の中指のつけ根にあかぎれがして、それが痛かった。口があいていて、私は仲間に「綯うとき、ここに麻がひっかかって痛いんだよ。」と顔をしかめて、それを見せた。仲間の者も眉をひそめてうなずいた。口があいていて、それが見た眼にいかにも痛そうに見えた。自分にもそう見えるので、それほどでもなかったのだが、私は顔をしかめて見せた。私はそれを仕事の進まぬいいわけにもして、その人にもそのあかぎれをうったえて見せた。「膿んじゃったらしいんです。」その人はそう云う私の顔をいかにも情けなさそうな顔をして見て、その箇所を指で押して、「これが悪いんだな、切ってとっちまうか。」そんなふうに云った。私はあやふやな笑い顔をした。寒さとともに凍傷にかかる者が出た。手の指がくずれ、繃帯をして、その繃帯に血のにじんでいる手で仕事に従っている者がいたのだ。私は軟膏をもらってあかぎれの箇所に塗り込んだ。