輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
線上閱讀小山 清《落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 頁
こんど切符を持ってこないと、新聞を取ってやらないぞ。」と云った。その隣りは髪結いであった。この家で一番印象深いのは爺さんであった。爺さんの顔はいまもはっきり眼に浮かぶ。私はこの爺さんを見るたびに老年の孤独そのものを見る思いがした。娘があり孫がある。しかしそういう家庭の団欒は爺さんにとっては無縁の世界なのである。その眼色はこの人がすべてを諦めていることを語っていた。身のまわりにはなんとも云えないさみしさがまといついていた。孫を背なかに乗せて遊ばせているのを見かけたこともある。多分もう世を去ったに違いない。その隣りは天幕屋であった。亭主は肥った、躯の大きな男で、頭も顔も大きかった。おかみさんは背が高く細面でやさしい善良そうな顔をしていた。子供が三四人いた。小金のある感じであった。私が配達になったのは丁度新聞代が一円から一円二拾銭に値上げになった月であった。そのことがよく徹底していなかったのかどうか、新米の私にはよくわからなかったが、なかには苦情を云うお得意もあった。ここの亭主もぶつぶつ文句を云って、翌月一月新聞を取らなかった。しかしその後はずっと続けて配達した。