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げんごとどうぐ
言語と道具
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《言語と道具(げんごとどうぐ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,154 字 · 5 頁
そして科学者にとっても深く考えてみなければならない問題である。しかしここでこの問題に立入ろうというのではない。
ともかくも言語があるという事は知識の存在を予定する。そしてそれがある程度の普遍性をもつものでなければならない。そうでなければ、人々は口々に饒舌っていても世界は癲狂院かバベルの塔のようなものである。
共通な言葉によって知識が交換され伝播されそれが多数の共有財産となる。そうして学問の資料が蓄積される。
このような知識は、それだけでは云わばただ物置の中に積み上げられたような状態にある。それが少数であるうちはそれでもよい。しかし数と量が増すにつれて整理が必要になる。その整理の第一歩は「分類」である。適当に仕切られた戸棚や引出しの中に選り分けられて、必要な場合に取り出しやすいようにされる。このようにして記載的博物学の系統が芽を出し始める。
分類は精細にすればするほど多岐になって、結局分類しないと同様になるべきはずのものである。しかしこの迷理を救うものは「方則」である。皮相的には全く無関係な知識の間の隔壁が破れて二つのものが一つに包括される。かようにしてすべての戸棚や引出しの仕切りをことごとく破ってしまうのが、物理科学の究極の目的である。