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げんごとどうぐ
言語と道具
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《言語と道具(げんごとどうぐ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,154 字 · 5 頁
隔壁が除かれてももはや最初の混乱状態には帰らない。何となればそれは一つの整然たる有機的体系となるからである。
出来上がったものは結局「言語の糸で綴られた知識の瓔珞」であるとも云える。また「方則」はつまりあらゆる言語を煎じ詰めたエキスであると云われる。
道具を使うという事が、人間以外にもあるという人がある。蜘蛛が網を張ったり、ある種の土蜂が小石をもって地面をつき堅めるのがそれだという。しかしそれは智恵でするのではなくて本能であると云って反対する人がある。それはいずれにしても、器具というものの使用が人類の目立った標識の一つとなる事は疑いない事である。
そして科学の発達の歴史はある意味においてこの道具の発達の歴史である。
古い昔の天測器械や、ドルイドの石垣などは別として、本当の意味での物質科学の開け始めたのはフロレンスのアカデミーで寒暖計や晴雨計などが作られて以後と云って宜い。そして単に野生の木の実を拾うような「観測」の縄張りを破って、「実験」の広い田野をそういう道具で耕し始めてからの事である。ただの「人間の言語」だけであった昔の自然哲学は、これらの道具の掘り出した「自然自身の言語」