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どくしょとちょしょ
読書と著書
矢内原 忠雄
線上閱讀矢内原 忠雄《読書と著書(どくしょとちょしょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,828 字 · 8 頁
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の著述を志す「今アウグスチヌス」が居るだろうか。そんな事を思って見る。
東洋――日本――多神教――アウグスチヌス。そんな事も思って見る。
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書を読むのは快楽であるが、書を著述するのは苦痛である。一書を著述する毎に、心身の消耗幾何ぞ。殊に今のような時勢に於いては尚更である。
アウグスチヌスにしても、アダム・スミスにしても、あれだけの大著を伸び伸びと書いて居ることは、読んで居て特に愉快に感ずる。『国富論』の地代に関する長き章、又その中の特に長き「銀価に関する枝論」なども、愛読して見れば冗長の感を起させない。寧ろ丹念にいろいろの見聞や読書を書き留めて居るスミスの風貌を、ほほえましく想像させる。彼らの学識と識見と精力と努力とは勿論のことであるが、彼らをしてかく自由に執筆せしめた社会が羨しい。スミスは少からぬ年金の支給を受け、余暇の多き研究生活の中で『国富論』を書いたのであるが、之に比すればヒッポの監督として極めて多忙な教会生活の事務を見ながら、十三年の歳月を要し、途切れ途切れに『神の国』を著述したアウグスチヌスは一層の骨折と言わねばならない。併し検閲の苦労は彼も知らなかったのである。