輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
線上閱讀豊島 与志雄《豊島与志雄童話集(おつきさまのうた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 頁
エキモスが心をこめてふく葦笛は、とてもいいあらわせない美しいひびきをたてました。谷川の水も、しばらくながれやんで、ききいりました。
エキモスが笛をふきやめると、もう、金色の鹿は死んでいました。
エキモスはそのまま、ながいあいだすわっていました。それから、金色の毛皮をすこし、かたみに切りとりました。そして死体を、そこの崖の下にうずめてやりました。
エキモスが帰りかけると、また、多くの鹿がおともをして、角の大きな鹿がエキモスを背なかにのせてくれました。そして、崖や坂や谷川や森をこして、もとの野原にもどってきました。
羊のむれは、しずかに草をたべています。蝶はとんでいます。小鳥はさえずっています。けれど、エキモスは気がはれませんでした。金色の鹿のかたみの毛皮で、だいじなものをいれる袋をつくって、腰にさげましたが、かなしさはまぎれません。笛をふく気にも、とてもなれません。
――だれが、あの鹿を、鉄砲でうったんだろう。
そう考えると、くやしかったり、さびしかったりして、どこか旅にでもでてしまいたくなりました。羊たちもかわいいけれど、金色の鹿が死んだかなしみの方が、もっとつようございました。