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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

線上閱讀豊島 与志雄《豊島与志雄童話集(おつきさまのうた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 頁

青空文庫

御隠居は二人の話をにこにこして聞いていましたが、やがてこう言いました。

「それは中々おもしろい狸だな」

「おもしろい所じゃございません」と二人は言いました。「しゃくに障ってたまらないんです」

「じゃあ一つ、わしがそれを生捕ってあげよう。そのかわり、ほんとに生捕ることが出来たら、手荒なことをしないで、万事わしに任してくれるかね」

二人は承知しました。

その晩月が出るのを待って、三人は八幡様へ出かけました。次郎七と五郎八とは縄を持ち、老人は南天の木の枝を杖についていました。

椋の木の所へ行って見上げると、椋鳥も何にもとまっていないで、ただわずかな葉が淋しそうについているきりでした。

「畜生、今晩は出ないのかな」

「まあ待っていなさい、今におもしろいことになるから」と老人は言いました。

やがて老人は、じっと椋の木を見上げながら、大きな声で言いました。

「それ、木の葉が小鳥になった!」

するとその言葉通りに、椋の葉が皆椋鳥になってしまいました。

老人は暫くしてまた言いました。

「それ、狸が姿を現わした!」

するとその通りに、椋の枝に上ってる狸の姿が見えてきました。

老人はまた言いました。