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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

線上閱讀豊島 与志雄《豊島与志雄童話集(おつきさまのうた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 頁

青空文庫

「赤土の猫なんか、だめだよ。チロは生きてる猫で、金目銀目だ。これを連れて行こう。ぼくも行ってやるよ。みんなで蒙古に行こう」

キシさんとチヨ子とは、目を輝やかして、太郎の手を握りしめました。

手品使いの少年

太郎は、チロといっしょに、蒙古まで行ってみようとほんとに決心しました。

そのことを聞くと、松本さん夫婦は、心配しました。けれど、太郎のおじいさんはかえって太郎の勇気をほめ、立派なことをしてくるようにと元気づけ、なお薬を一缶くれました。神主をしているおじいさんの家に、昔から伝わってる薬で、どんな病気にも、きずにも、疲れにもきく薬だそうです。

松本さん夫婦、チヨ子とキシさん、太郎とチロ、それだけの人数でした。太郎は立派な服を作ってもらいました。

門司に行き、それから船で、大連へ行くのです。

船は正午に門司を出ました。風のない春の日で、海はおだやかでした。船はすべるように進みました。青い山々がしだいに遠ざかるのを見送って、太郎はちょっとさびしくなりましたが、蒙古のこと、玄王のこと、金銀廟のことなど、いろいろ想像しますと、身うちに元気が満ち満ちてきました。