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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
線上閱讀夢野 久作《近世快人伝(きんせいかいじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 79,469 字 · 157 頁
それじゃけに鯨は人間と同じこと、三々九度でも新婚旅行でも何でもする。私ゃ大事な研究と思うたけに、実地について見物して来た。しかも生命がけで……」
「アラ。まあ。アンタ見て来なさったと……」
「お前たちに見せてやりたかったなあ。その仲の良え事というものは……お前たちは人間に生れながら新婚旅行なんてした事あ在るめえ」
「アラ。済まんなあ。新婚旅行なら毎晩の事じゃが」
「アハハ。措きなはれ。阿呆らしい」
「阿呆らしいどころじゃない。権兵衛が種蒔きなら俺でも踊るが、鯨のタネ蒔きバッカリは真似が出来ん。これも学問研究の一つと思うて、生命がけで傍へ寄って見たが、その情愛の深いことというもんなア……あの通りのノッペラボーの姿しとるばってん、その色気のある事チュタラなあ。ちょっとこげな風に(以下仁三郎懐手をして鯨の身振り)」
「アハハハハ……」「イヒヒヒ」
「オイ仁三郎……大概にせんかコラ……」
「海の上じゃけに構わん。牡も牝も涎を流いて……」
「アラッ。まあ。鯨が涎をば流すかいな……」
「流すにも何にもハンボン・エッキスちうて欝紺色のネバネバした涎をば多量に流す」
「……まあ。イヤラシイ。