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しぜんかいのきょぎ

進化と人生(下)

丘 浅次郎

線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(下)(しぜんかいのきょぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 頁

青空文庫

ざるを得ない。そもそも生物の繁殖する割合は幾何級数、すなわちいわゆる鼠算の割合で進むから、代々わずかずつ増加するごとくに見えても、たちまち無限にふえることになるゆえ、決して生まれた子孫がみな生存することはできぬ。かりにここに一本の草があって、わずかに二個の種子を生じ、翌年にはこの二個の種子から二本の草が生じておのおの二個ずつの種子を生じ、代々かくのごとくにして進んでゆくと仮定すると、十年目には千本以上、二十年目には百万本以上、三十年目には十億本以上というように驚くべき速力で増加する勘定になる。さればいかなる動植物でも生まれただけの子孫がことごとく生存しうる余地はとうていないから、ぜひとも生存のための競争が起こり、勝ったものは生存して子孫を遺し、敗れたものは趾をとどめず滅び失せてしまう。その場合にいかなるものが勝って残るかといえば、むろん生存に適する性質を備えたものに定まっている。もし同一種属の個体がすべて寸分も違わず、まったく同様なものであったならば、その間の勝敗はただ単に運次第というほかないが、前にも言ったとおり生物には変化性というものが備わってあって、同じ親から生まれた子でもその間には必ず多少の相違があり、したがって同一種に属する個体はみな幾分ずつか相互に異なった点があるゆえ、競争の場合にはその中で