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しぜんかいのきょぎ

進化と人生(下)

丘 浅次郎

線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(下)(しぜんかいのきょぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 頁

青空文庫

、わずかにこれだけの手数がかかってももはやその結果はやや正確でなくなり、二度測れば二つ、三度測れば三つの相異なった長さが出るゆえ、結局はこれを平均した長さを採用しておくよりいたし方はない。物差しをじかに当てずに他の方法によって測量する場合には、手数を重ねることがさらに余計になるだけ、正確の程度がさらに減ずる。富士の山の高さが海面上一万何千何尺と何寸何分というような計算が出ても、最後の三桁か四桁は実は何の意味もない。ガリバー探険物語にある学者の国のごとくに仕立て屋が六分儀や水準器を持ち出し、角度から割り出して仮縫いの寸法を取るようではいかなる洋服ができ上がるか分からぬ。

小さなほうもこれと同様で、じかに物差しの当てられぬ場合には間接の測定法によらねばならぬが、方法が間接であればあるだけ、結果は不正確にならざるをえない。最高度の顕微鏡でなければ見えぬような微細なバクテリアの長さが〇・〇〇三五ミリメートルあるとか、顆粒の直径が〇・〇〇〇八ミリメートルあるとか書いてあるが、実際にこれを測るにあたっては、実物からきた光線も、ミクロメートルからくる光線もいくつものガラスを通って屈折し、いくつもの鏡に当たって反射してくることゆえ、どこに少しの誤りがあってもじきに結果が狂うて、決して正確なことが知られぬわけである。