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とおのものがたり
遠野物語
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《遠野物語(とおのものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 39,063 字 · 79 頁
二〇
二一
二二
二〇 この兇変の前にはいろいろの前兆ありき。男ども苅置きたる秣を出すとて三ツ歯の鍬にて掻きまわせしに、大なる蛇を見出したり。これも殺すなと主人が制せしをも聴かずして打ち殺したりしに、その跡より秣の下にいくらともなき蛇ありて、うごめき出でたるを、男ども面白半分にことごとくこれを殺したり。さて取り捨つべきところもなければ、屋敷の外に穴を掘りてこれを埋め、蛇塚を作る。その蛇は簣に何荷ともなくありたりといえり。
二一 右の孫左衛門は村には珍しき学者にて、常に京都より和漢の書を取り寄せて読み耽りたり。少し変人という方なりき。狐と親しくなりて家を富ます術を得んと思い立ち、まず庭の中に稲荷の祠を建て、自身京に上りて正一位の神階を請けて帰り、それよりは日々一枚の油揚を欠かすことなく、手ずから社頭に供えて拝をなせしに、のちには狐馴れて近づけども遁げず。手を延ばしてその首を抑えなどしたりという。村にありし薬師の堂守は、わが仏様は何ものをも供えざれども、孫左衛門の神様よりは御利益ありと、たびたび笑いごとにしたりとなり。
二二 佐々木氏の曾祖母年よりて死去せし時、棺に取り納め親族の者集まりきてその夜は一同座敷にて寝たり。