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ぎんがのしたのまち

銀河の下の町

小川 未明

線上閱讀小川 未明《銀河の下の町(ぎんがのしたのまち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,931 字 · 8 頁

青空文庫

三

それはそうと、なにかこのあたりで、おもしろい土器の破片か、勾玉のようなものを拾った話をききませんか。」と、紳士はたずねました。

「僕、勾玉を拾いました。それからかけたさかずきのようなものも拾って持っています。」

「勾玉? さかずきのかけたようなもの? 君は、またどうしてそんなものに趣味を持っているのです。」と、紳士は、驚いたようです。

「いつか、この池のところで拾って、学校の先生に見せたら、大昔のものだから、しまっておけとおっしゃいました。」

「ははあ、君のお家は遠いのですか。ちょっとそれを見せてくださいませんか。私はこういうものです。」と、紳士は、名刺を取り出して、信吉に渡しました。名刺には、東京の住所と文学博士山本誠という名が書いてありました。

「私は、古代民族の歴史を研究しているので、こうして、方々を歩いています。」といいました。

信吉は、自分の持っているものが、いつか学問のうえに役立てば、ひとりこの人のみの喜びでない、人類の幸福と思いましたから、

「いえ、じき近いのです。僕、急いで持ってきますから。」といって、走り出しました。

三

博士は、信吉の走っていった道を、急がずに村の方へと歩いてゆきました。