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ぎんがてつどうのよる
銀河鉄道の夜
線上閱讀宮沢 賢治《銀河鉄道の夜(ぎんがてつどうのよる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 76,529 字 · 155 頁
すると、向こうの席にいた、とがった帽子をかぶり、大きな鍵を腰に下げた人も、ちらっとこっちを見てわらいましたので、カムパネルラも、つい顔を赤くして笑いだしてしまいました。ところがその人は別におこったでもなく、頬をぴくぴくしながら返事をしました。
「わっしはすぐそこで降ります。わっしは、鳥をつかまえる商売でね」
「何鳥ですか」
「鶴や雁です。さぎも白鳥もです」
「鶴はたくさんいますか」
「いますとも、さっきから鳴いてまさあ。聞かなかったのですか」
「いいえ」
「いまでも聞こえるじゃありませんか。そら、耳をすまして聴いてごらんなさい」
二人は眼を挙げ、耳をすましました。ごとごと鳴る汽車のひびきと、すすきの風との間から、ころんころんと水の湧くような音が聞こえて来るのでした。
「鶴、どうしてとるんですか」
「鶴ですか、それとも鷺ですか」
「鷺です」ジョバンニは、どっちでもいいと思いながら答えました。
「そいつはな、雑作ない。さぎというものは、みんな天の川の砂が凝って、ぼおっとできるもんですからね、そして始終川へ帰りますからね、川原で待っていて、鷺がみんな、脚をこういうふうにしておりてくるとこを、そいつが地べたへつくかつかないうちに、ぴたっと押えちまうんです。