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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 106,745 字 · 216 頁

青空文庫

よって貴殿にお話し致す。――貴人横奪、槐門周章。丙より壬、一所集合、牙城を屠る。急々如律令。――つまりこういう意味でござった。甲斐守殿へお伝えくだされ」

「して、茶椀陣とおっしゃるは?」

「うむ、茶椀陣か、それはこうだ。銅銭会の会員が、茶椀と土瓶の位置の変化で、互いの意思を伝える法」

「火急の場合、これでご免」

「謹慎の身の上、お見送り致さぬ」

で弓之助は下屋敷を辞した。門を潜ると駕籠へ乗った。

駕籠は一散に宙を飛んだ。

間もなく甲斐守の屋敷へ着いた。門を潜り、玄関を抜け、叔父の部屋へ走り込んだ。

依然肩衣を着けたまま、甲斐守は坐っていた。

「おお弓之助か、どうであった?」

「まずこれを」と書物を出した。

「うむ、銅銭会縁起録」

「他に伝言でございます」

「うむ、そうか、どんなことだ?」

「先ほど、私お話し致しました、上野山下一葉茶屋で、一人の町人の行なった茶椀芸についてでございますが、あれは銅銭会の茶椀陣と申し、茶椀の変化によりまして、会員同士互いの意思を、伝え合うところの方法だそうで、あの時の茶椀陣の意味はといえば、貴人横奪、槐門周章。丙より壬、一所集合、牙城を屠る。