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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十三)青い帯(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,244 字 · 231 頁

青空文庫

「それは違う。親分、こうなればみんな言ってしまいますが、三百両持出そうとしたのは本当です」

「あれ、兄さん」

お梅は驚いて、兄の袂を引きました。

「お前は黙っていろ――みんな言ってしまった方がいいよ。親分、聴いて下さい。私が三百両持出そうとすると、妹は土蔵の鍵を隠してしまったんです。夜中までそれで喧嘩しましたが、あの騒ぎがあった後で気がつくと、妹の隠した鍵を誰か持出して土蔵を開け、金箱を持出して、孫六に見とがめられ、逃げ場がなくなって殺したんでしょう。私は仕様のない道楽者ですが、孫六を殺すような非道なことはしません」

半次郎は一生懸命でした。その弁解は暗いところだらけですが、ともかくも筋だけは通ります。

「鍵はどこへ隠しなすったんだ」

平次はお梅を顧みました。

「お勝手の戸棚へ入れておきました」

お梅はそう言うのが精いっぱいです。

「親分」

ガラッ八は後ろから平次を突きます。

「えっ、黙っていろ、――まだお前などに判るものか」

通夜の坊主の眠そうな経が聴えて、夜はしだいに更けて行きます。

六

昨夜、孫六が殺された時刻――それよりほんの少し遅く、平次は関係者一同を、昨夜と同じ順序で土蔵の前へ駆け付けるように命じました。