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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十三)青い帯(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,244 字 · 231 頁

青空文庫

「私がここへ来るのも、金六親分さんはよく知っているはずです」

「それじゃ、ともかく行ってみよう」

平次はようやく御輿をあげました。

「有難え。そう来なくちゃ面白くねエ」

八五郎の有頂天さ、平次の履物を揃えたり、十手を懐にねじ込んだり、滅茶滅茶に動いております。

四

深川へ行ってみると、事件は想像以上にこんがらかっておりました。

お秀に別れて門前町の番所へ行くと、ちょうどいあわせた洲崎の金六が、

「お、銭形の、来てくれたか。兄哥のお蔭でとんだ目に逢ったぜ」

そう言いながらも、救われたような顔になるのです。

「山城屋の若旦那とかを挙げたそうじゃないか。それが下手人じゃないと言うのかえ」

「お千勢と言い交した男だ。深川中で二人の仲を知らない者はないよ。合図一つでお千勢を三十三間堂裏におびき出したり、抱き付いて来るのを、後ろから匕首で刺すのは、紋次郎の外にないと見たのさ」

「それが――?」

「困ったことに、その晩紋次郎は町内の風呂へ行って帰ったきり、一と足も外へ出ないと言うんだ。本人がそう言うばかりじゃない。店中の奉公人の口が揃うから嘘じゃあるまい」

紋次郎は黒江町の呉服屋――山城屋の一人息子で、山城屋は番頭小僧の七八人も使っている老舗でした。