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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十三)青い帯(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,244 字 · 231 頁
あまりのことに平次も驚きました。
「番頭も手代も言うんだから、ウソじゃないでしょう」
「すると、お関母子は砂糖酒を呑んで死ぬ心算だったんだね」
「まア、そんなことですね」
「そして、お由良は砂糖酒で死んだことになるわけだ」
「…………」
「八、こいつは面白くなって来たぜ。もういちど振出しに戻って、やり直しだ」
「どこへ行くんで? 親分」
「柳屋を調べなかったのが手落だよ。来るか、八」
「ヘエ――」
二人は飯田町に飛びました。柳屋はお由良の死骸を持込んで、ひと方ならぬ混雑でしたが、お勝手口からそっと滑り込んだ平次とガラッ八は、親爺の弥吉を物蔭に呼んで、一生懸命の調べを始めたのです。
「お由良の敵を討ちたいとは思わないのか」
平次の問いは唐突ですがこの上もなく効果的でした。
「それは言うまでもございませんよ、親分さん」
「それじゃ、誰が一番お由良を怨んでいたか、そいつを聴かしてくれ」
「そいつは申し兼ねますが、――どうしても言えとおっしゃれば――やはり気が変になるほど思い詰めた幾松じゃございませんか」
「お由良が死んで困るのは?」
「私と伊勢屋さんでございますよ。私はまア親ですから当り前で、伊勢屋さんの方はあんなに仕度をして待っていたのですから、お由良が死んで、どんなにがっかりなすったでしょう」