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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,230 字 · 280 頁
お組さんの合図とそれを最初に見付けて、あっしを引っ張り出したあの八五郎の野郎の手柄で――」
平次に指されて、八五郎は首筋のあたりを掻きながら、無暗に恐れ入っております。
「親分、変な捕物だね」
帰る途々八五郎は考え込んでばかりいる平次に話しかけました。
「捕物じゃないよ。こいつはとんだ千代萩さ、――だが、お家騒動はすることがネチネチして嫌だね」
「でも、あの娘はよかったぜ、親分」
「お組のことか、――唐櫃から出した時は、手を合せて泣いていたぜ」
「苧と襷と髢をブラ下げて、『おたすけ』は嬉しかったな」
「命がけの合図だったのさ。笑っちゃ気の毒だ」
そういう平次もカラカラとわけもなく笑いたい衝動を感じておりました。