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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,230 字 · 280 頁

青空文庫

長くて二た月短くば半月、食扶持は月に三両、逃がさずにおいてくれたら後でお礼に五両出す」という約束で娘を預けて、それっきり姿を見せなかったが、けさ不意にやって来て、「娘は外へ合図をしている様子だから、この上預けておくわけには行かねエ、今すぐ伴れて帰る」と言い出し、月極めの三両とお礼の五両を綺麗に払った上、駕籠に乗せて、どこかへつれて行ってしまった――と言うのです。

「その通りでございます。これがお礼に貰った八両で、嘘も偽りもございません」

女房のお早までが口を添えて、懐から八両の小判を出して見せるのでした。

「それじゃもう一つ訊くが、源次は今どこに居るんだ」

平次は調子を変えました。

「それがわかりません」

「隠しちゃためにならないよ。お組を預かった科は知らなかった分にしてやる術もあるが、それも、お前の出ようひとつだ」

「この間まで元町の本野伊織様御屋敷に勤めておりましたが、今はどこにいるか一向にわかりません」

六助もお早も本当に知っていない様子です。

「ところで、お組という娘が、親許のことでも話したことがあるのかい」

平次は違った方へ話題を持って行きました。