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さこく

鎖国

和辻 哲郎

線上閱讀和辻 哲郎《鎖国(さこく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 頁

青空文庫

この傾向は十五世紀以後におけるヨーロッパ人の植民地経営にも見られるであろう。初めは海賊に過ぎなかった冒険的航海者も、その仕事が大きくなるに従って公共的な意義を獲得し、国家の支持を得てくる。それに応じて海賊たち自身も、探検的航海者としての心構えを失わず、その経験を記録し或は云い伝えて、背後にある国民の視圏の拡大に寄与した。この特徴は倭寇には全然見られないのである。倭寇は、その名の示す通り、侵略を受けた国々の記録によって知られるのであって、彼らがその冒険によって得た知識を母国の国民に刻みつけたが故に記憶せられているのではない。彼らの冒険的な労苦は公共的な意義を獲得することなく闇から闇へと流れてしまった。即ち歴史的意義を獲得し得なかったということが倭寇の歴史的意義でもあるのである。

倭寇のこの性格を明かに反映しているのは、十五世紀に入って盛んになった海外貿易が、倭寇の禁圧によって可能になったということである。この禁圧は高麗や明の側からの数十年に亘る熱心な外交交渉によって漸次実現されるに至ったのであった。初め高麗からの海賊禁圧の要求が日本の政府に届いたとき、日本の政府の執った熊度は、倭寇が九州の乱臣の所為であって、政府の責を負うべきものではないということであった。