輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ゆきこんじゃくものがたり

雪今昔物語

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《雪今昔物語(ゆきこんじゃくものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,695 字 · 32 頁

青空文庫

一

二

一

もう十年前のことであるが、昭和十一年の秋に、北海道に大演習があり、天皇陛下が北海道に行幸されたことがあった。

その時に一日北大へ行幸の日があった。そして私は低温室の中で、雪の結晶の人工製作を天覧に供するという光栄の機会を得た。それが表題の『雪今昔物語』の機縁の起りである。

それから十年後の今年、昭和二十一年の暮に、私は東宮殿下への『雪』の御進講に上京し、引き続いて天皇皇后両陛下、さらに義宮様及び内親王様たちに、同じく『雪』の御進講を申し上げる有難い機会に恵まれた。

十年の年月は、不断の時代ならば、ただの一昔の話としてすませることである。しかしこの十年間は、千年にも比すべき十年であった。今回の御進講に際して、私は宮中にスチームが全然通っていないので、控の間では外套を着ていたということを、新聞社の人に話した。その話が北海道の新聞に出たのであるが、最近道内の某市の駅長さんに会ったら「その記事を読んで私は思わず涙をこぼしました」という話をきかされた。その駅長さんの話が機縁になって、この小文を書いてみる気になった。

二

十年前に、零下二十五度の低温実験室の中へ陛下の行幸を仰いだ頃は、陛下はお若々しく非常にお元気に拝せられた。