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せつま
雪魔
海野 十三
線上閱讀海野 十三《雪魔(せつま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 13,355 字 · 27 頁
いつもは五助とお雪の二人で青髪山へ登るのであった。
「いいよ、いいよ。今日は僕が手伝う」
彦太は、いくら兄のためとはいいながら、自分よりも年下の女の子があの恐しい青髪山へ登るのを、黙って見物しているわけにいかなかった。ことに今日は吹雪になるらしい天候で、お雪が行けばどんな苦労するかしれないと思うと、だんぜん彦太は自分が身代りになることを申出たのだった。
お雪は、雪の往来まで送ってきた。はずかしそうにうつむき勝ちだったが、彦太にたいへん感謝しているのがよく分った。
五助が先に立ち、その後に彦太がつづき、雪の道をいよいよ歩きだした。幸いに人の目にもふれず、うまく青髪山への遠い山道の方へ曲ることができた。粉雪は、だんだん量を増して、二人の少年の姿を包んでいった。五助のかんじきが、三歩に一歩は深く雪の中にもぐった。
「三日前に来たときよりも、二尺ぐらい雪が増したね」
五助が、そういった。
「疲れたら、僕が代って、前を歩くよ」
「なあに彦くん、大丈夫だ」
深い雪の山道の傾斜がひどくなった上に、重い荷を背負っているから歩行がたいへん困難になった。二人の少年は、もう、ものもいわず、あらい息をはきながら雪の道をのぼって行く。