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おんがくかいのめいしん
音楽と生活 兼常清佐随筆集
兼常 清佐
線上閱讀兼常 清佐《音楽と生活 兼常清佐随筆集(おんがくかいのめいしん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 29,475 字 · 61 頁
実際大正から昭和にかけて私共は沢山の美しい、おもしろい流行唄を得た。そしてそれと同時に、それを作った人、例えばナカヤマ・シンペエという名は私共には古典的な名になった。
このような事では、近頃の流行唄はよほど芸術的な音楽に似て来た。私共はナカヤマ・シンペエの流行唄というおなじような意味で、シューベルトの「リード」とかショパンの「エテュド」とかいうように言う。それはその人でなくては出来ないものの事である。つまりその作品とその個性が離れられないように結びつけられている事である。
そこで人々はいつもこのような事を考える。――この傾向がだんだん発達するならば、流行唄も芸術的にだんだん進歩して、結局将来のナカヤマ・シンペエはシューベルトになり、『枯れすすき』や『東京行進曲』は『冬の旅』になるであろうか。
もしそうなれば、今の流行唄を目のかたきにしている老教育家先生だちにとっては誠に万歳である。しかしこの事には多少の矛盾がある。それはちょうど人間は猿から進化したという学説があるから、動物園の猿は、もう少し待ったらみな人間になって、『論語』や『孟子』を愛読するだろう、という事に似ている。