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ふうきょうしご

風狂私語

辻 潤

線上閱讀辻 潤《風狂私語(ふうきょうしご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,739 字 · 6 頁

青空文庫

風狂私語

辻潤

●本文中、底本のルビは「(ルビ)」の形式で処理した。

●本文中、[※1~4]は底本からの変更部分に関する入力者注を表す。注はファイルの末尾に置いた。

▼自分は風狂人の一種だ。俳人なら惟然坊[※1]のような人間だ。ただ俳句がつくれないばかりだ。嘘のような話だが殆どつくったことがない。俳句ばかりか短歌もつくったことがない。どうもこんなことをいっても人は信用してくれないと思うが、自分ながら不思議だと考えている。

▼西谷[※2]がしきりと俳句をつくれといってすすめてくれる。昔、川崎にいた時分佐藤惣之助[※3]からもすすめられたことがある。「君が俳句をつくらないのはどうもおかしい」と彼がいうのである。だがやっぱりつくらなかった。今にひとりでにつくれるようになるかも知れない。

▼人間に「耳」の性と「眼」の性とがある。音楽家と画家とがその代表者だ。自分はつまり、「耳」の性だ。ただ音楽家でないばかりである。まれに両方兼備している天才もある。

▼文学者は芸術家としてみる時は一番不純である。音楽や画は表現のミディアムが限られているが、言葉になるとその数が殆ど無限であるから、ちょっと見当がつかぬ。