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しゃべりすぎる
饒舌りすぎる
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《饒舌りすぎる(しゃべりすぎる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,957 字 · 55 頁
眠ったのを慥かめると、安川にあとのことを頼んで、城をさがり、家へ帰った。
土田正三郎は一睡もしなかったが、帰宅すると風呂を焚かせて躯を洗い、平生どおり髪を直し髭を剃って、父と朝食をともにした。事情を訊かれたので、あらましのようすを話すと、父の正兵衛は登城を休めと云った。母も側から休むようにとすすめたが、彼は欠かせない御用があるからと断わり、時刻になると登城して、自分の役部屋へはいった。
「小野さまはいかがですか」と下役の者がすぐに訊いた、「もうよろしいのですか」
土田正三郎は単符と呼ぶ紙片へなにか書き、自分の印を捺してその下役に渡した。
「お蔵へいって、この記録を出して貰ってくれ」と土田は云った、「それから中林、昨日の書類はまだか」
「もうすぐです」とその中林が答えた。
「いそいでくれ」と土田は云った、「このごろ事務がはかどらないようだな、郡奉行からの期届けはまだか」
「まだまいりません」と他の下役が答えた、「催促いたしましょうか」
「まあよかろう」土田は机の上へ書類をひろげ、硯箱をあけて朱墨を磨りだした、「――郡奉行か」
下城の刻が近くなったとき、安川大蔵が役部屋へ来て、半刻ほどまえに十太夫を家まで送ったと告げた。