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しゃべりすぎる

饒舌りすぎる

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《饒舌りすぎる(しゃべりすぎる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,957 字 · 55 頁

青空文庫

二

「袖町とはなんだ」

「このごろずっとよし野がごひいきなんでしょ、あのうちはとしより夫婦に小女がいるだけの筈ですけれどね」

十太夫は咳をして云った、「袖町ではよし野だけが呑み屋じゃあないぜ」

「とするとどこでしょう」おわかは首をかしげた、「小花かしら、千石かしら」

二

なにを数えてるの、と云いながら、この家の娘おみのがはいって来た。三人きょうだいのいちばん姉で、としは二十二。背もいちばん高いし、ぜんたいがおっとりしていて、いつか十太夫が土田に、女でも総領の甚六というのかな、と訊いたことがあるし、妹の二人はかげで「ぐず」と云っているそうであった。二女はおきぬ、三女はおしん。十八と十七であるが、十太夫たちの座敷にはめったにあらわれない。土田正三郎と小野十太夫は姉のもの、ときめているためだという。

「だめだ、だめだ」十太夫は無礼にもおみのに手を振った、「おれたちは二人で雪見酒をやってるんだ、おわかもいってくれ、おれたちの邪魔をするな」

「いいわよ」とおみのは二人のあいだに坐り、徳利を取って土田に酌をした、「――あたしだって雪見酒をするんですもの、わかちゃん、こっちへお酒とお燗の支度を持って来てちょうだい」