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まほうにんぎょう

魔法人形/サーカスの怪人

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《魔法人形/サーカスの怪人(まほうにんぎょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 148,224 字 · 297 頁

青空文庫

小林少年

それと同じことが、ルミちゃんのからだにも、おこったのではないでしょうか。

おとうさんとおかあさんは、ともかくも、ルミちゃん人形のはいった箱を奥ざしきにはこばせて、その前にすわって、心配そうに顔を見あわせながら考えこんでいました。

するとそのとき、隣の部屋にある電話のベルが、けたたましくなりひびいたので、甲野さんが受話器を耳にあてました。

おかあさんがこちらから見ていますと、受話器をとった甲野さんの顔がサッと青ざめ、ギョッとしたように目が大きく見ひらかれるのが、よくわかりました。

「き、きみは、いったい、だれだっ?」

甲野さんが、どもりながらどなりつけました。受話器を持つ手が、ぶるぶるふるえています。

小林少年

甲野さんがびっくりしたのは、むりもありません。受話器からは、じつに恐ろしいことばが聞こえてきたのです。

「甲野光雄さんかね。わしは黒沢というものだ。きみのルミちゃんは、わしがあずかっている。なぜあずかっているかは、いうまでもないことだ。きみから身のしろ金をちょうだいしたいからだ。一千万円でよろしい。それも、どこそこへ持ってこいというのじゃない。わしのほうから取りにいく。