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まほうにんぎょう
魔法人形/サーカスの怪人
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《魔法人形/サーカスの怪人(まほうにんぎょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 148,224 字 · 297 頁
いくら悪人でも、焼け死ぬのをほうっておくわけにはいきません。それに、さいわい手足をしばられているのですから、助けだしたところで、逃げられる心配はないのです。
小林君は、力まかせに老人の足をひきずって、床の燃えていないところをえらびながら、部屋の外へ出ました。廊下はまだ燃えていません。やっぱり老人の足をひきずったまま、廊下から入口のドアの外へ。そして、たてものから、ずっとへだたった草の中へ老人を寝かせました。そして小林君は、いきなり町のほうへかけだすのでした。
いつのまにか日がくれて、外はまっ暗になっていました。しかし、まだよいのうちですから、町のたばこ屋は店をひらいていました。
小林君は、そこへとびこんでいきました。
「あのおばけやしきの西洋館が火事です!」
と叫んでおいて、赤電話の受話器をとると、まず、一一九をまわして、火事の場所を知らせたあとで、警視庁の捜査課を呼びだし、知りあいの中村警部に、いそいで、ことのしだいをつげました。明智探偵は旅行中なのですから、さしずめ、中村警部の助けをもとめるほかはなかったのです。
すぐに現場へいくという中村警部のへんじをきいて、小林君は、怪老人をころがしておいたところへ、とってかえしました。