輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

にしんぎょじょう

鰊漁場

島木 健作

線上閱讀島木 健作《鰊漁場(にしんぎょじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,483 字 · 49 頁

青空文庫

判を押せといわれたから押したまでのことだった。しかしその契約書の内容というものが、決して一片の形式的な閑文字ではなくて、どんなに密接な関係において彼らの生活に直接結びついているものであるかということを、彼らはその後機会あるごとに思い知らなければならなかったのである。

四月も半ばをすぎたある夜、漁夫たちは沖に出ていた。

丁度鰊汲みの真最中だった。

風にまじって霙が降ってきた。

その日は朝から生温かい西風が吹いて気温がぐっとあがり、絶好の鰊ぐもりだった。「鰊は風下に落つ。」ということが漁夫たちの間には信じられていた。彼らは勇躍して海に出て行った。はたして日没頃から鰊は網にのって来た。

しゅっしゅっと音を立てて霙は横なぐりに顔を打った。したたり落ちる雫をぬぐおうともせず、漁夫たちは鰊の大群と組み合っていた。

瞬時に風は西の疾風となって吹きつけて来た。真暗闇の海の底が、遠い遠い沖の彼方からとどろとどろに鳴りひびきその音は次第に高く近くなり、大風が谷間に落つるときのような音を長くひいて過ぎて行った。親舟の腹にうちつける波の音が次第に大きくなってきた。

時化だ。