輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《鳴門秘帖(三)(なるとひちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 261,216 字 · 521 頁

青空文庫

だ――という大失態。築城上例のない変事だ。

「申しわけござりませぬ!」

その後で、一句、こういったまま、作事監督の両役人、大地へ額をすりつけて慴伏する。

阿波守は、その者たちへ何ごともいわずに、ツウと足を早めたかと思うと、以前の三重櫓の上へ駈けのぼった。

竹屋卿と啓之助も、息をきらしてそこへ上がってきた。

でも阿波守は、それへも一言すら、口をきかずに、櫓柱に手をかけて、城南出丸の工事場をジッと見おろしている……。見ると、なんという惨状だ、まったく目もあてられない状態。

さっき、有村がここに立って、討幕の詩を微吟していた時は、屹然としていた捨曲輪の石型や櫓が、みじめに歪みくずれている。そして、助任川からくる水を堰き止めてある空濠の底へ、何千貫の大石がるいるいとして無数に転落しているのであった。

城内から溢れ出た若侍たちは、うろたえている人足どもを叱して、その空濠の底から、石に押しつぶされた工人の死骸を引きあげさせている。

わめく者、うめく者が、戦場のごとく入り乱れていて、重喜の驚きを、呆然のままにさせてしまった。

「ああ、これは容易ならぬことだ……」と啓之助は当然なことをつぶやいて――「川底の地固めが足らなかったに違いない、そのために、大石をすえた沼がすべったのだ……作事方の手落ち、申し開きはあるまい」