輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

「こくしかんさつじんじけん」じょ

「黒死館殺人事件」序

甲賀 三郎

線上閱讀甲賀 三郎《「黒死館殺人事件」序(「こくしかんさつじんじけん」じょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 907 字 · 2 頁

青空文庫

探偵小説界の怪物江戸川乱歩が出現して満十年、同じく怪物小栗虫太郎が出現した。この満十年という年月はどうも偶然でないような気がする。小栗君が現われた時に、私は江戸川君を誘って、満十年にして新人出で、探偵小説壇によき後継者を得たお祝いをしようと思ったが、つい果さなかった。今でもそれを残念に思っている。

江戸川君の怪物ぶりと小栗君の怪物ぶりとは自ら違う。然し、両君ともに、その前身が何となく曖昧模糊としていて、文壇にデビュウするまでに、相当忍苦の年月があり、文学的に相当年期を入れている点が相似ている。そうしてこの点が私や大下君とハッキリ区別されているところが面白い。

一体人は怪物呼ばわりされて決して愉快なものでなく、又無暗に人を怪物と呼ぶのは非礼千万であるが、その非礼を敢てしても、どうも江戸川君と小栗君はやはり怪物である。江戸川君の妖異と小栗君の妖異にはハッキリ区別があり、江戸川君が一流の粘り気のある名文で妖異の世界に引込んで行くのに反し、小栗君はむしろ晦渋と思われる一流の迫力のある文章で、妖異の世界に引込んで行く。江戸川君のものを江戸時代の草双紙とすれば、小栗君のものは中欧中世紀の草双紙である。