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くろふねぜんご

黒船前後・志士と経済他十六篇

服部 之総

線上閱讀服部 之総《黒船前後・志士と経済他十六篇(くろふねぜんご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,901 字 · 247 頁

青空文庫

竹内式部、山県大弐。カムフラージュされた形で賀茂真淵、本居宣長以下の国学派がそれである。しかし、幕末政局を貫流した中心スローガン「尊王攘夷」は、これら国学派尊王論に由来しないで、水戸斉昭に主唱された。

ゆくすえの幕政倒壊を見越して、その場合にも一門だけは残るようにとの東照神君の神謀から水戸だけは堂々尊王の家筋と定められた、などという説は、まっ正直に家康を神様扱いにする筋から出たものというほかはなかろう。実際は幕権大磐石時代に淵源する水戸学の尊王と徳川家祖法の鎖国とが、時局にたいする副将軍的念慮から結合されたにすぎない。ただ斉昭は幕権に基づいて水戸家尊王論を運用する代りに、水戸家尊王論によって幕策を旧軌に戻そうと試みただけである。とまれそのため天保以降彼の手で「京都手入」が創始された。

後年将軍家継嗣問題を挾んで水幕の反目最もはなはだしかった。しかも他方幕閣は和親さえあるに今度は通商の決定を迫られているという安政五年正月に、その直前の水藩建白によって下ったといわれる朝廷からの幕吏への示命書には、はっきりと幕府祖法が真向からふりかざされている。

「当度の儀は寛政以来鎖国の厳制を改革し諸蛮夷通信交易等を始め、各国条約取極められ候ほどの儀につき、皇国内の儀とも違ひ云々」