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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Read 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 213,575 characters · 424 screens
清盛二十歳の保延三年に起筆して、清盛四十三歳の、平治二年(永暦ト改元サル)の春まで書いたわけです。要するに、ここまでは「古典平家」にはない話が多く、いわゆる平家物語の平家的諧調と色彩にとむ人間哀詩の絵巻はこれからくり展げられるものとおふくみください。(二六・四・一)
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〔時代〕平治二年(永暦ト改元)の春、今より約七百九十年前。
〔時勢〕保元、平治の二次の大乱直後。源ノ義朝一族は敗れ、清盛の六波羅平氏が、ひとり都に武門として、隆昌の兆しを示している。
〔政情〕天皇二条のほか、なお後白河上皇の院政があり、新興武門の発言権も、急激に大きくなっている。
〔一般時風〕数百年の貴族政治には民心も飽いていたし、平安貴族文化と、低い層の生活とは、明暗、余りに別世界のものであった。従来、地下人階級といやしまれていた武人の擡頭は、その意味で清新の気を与えている。同時に、六波羅を中心とする戦後景気やら、新しい時粧風俗も興って、清盛という時代の新人物に、ともかく今のところ、庶民は好感と興味をもって観ている。
〔主な登場人物〕
常磐(二十三歳)義朝の愛人、今若、乙若、牛若の三児をかかえ、捕われて、その子たちの助命を清盛に乞う。