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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
のは却って仕合せで有った」
と云いながら懐中から十両取り出して、
丹「これは誠に少しだが、両人の手当にやって置くから、米や薪でも買って貰いたい」
と婆アに渡せば、婆アは大きに悦び、
かく「御心配なさいますな、酒でも買って来ましょう」
とそれより手当を宜くして此処に三日程匿れて居ました。すると三日目の日暮方婆アが酒を買ってまいり、三人で酒宴をして居りますと、土間口から菅の深い三度笠を肩に掛け、※(「廴+囘」、第4水準2-12-11)し合羽に千草の股引草鞋ばきで、旅慣れた姿の男が入って来ました。これは繼立の仁助という胡麻の灰でございます。
仁「お母家か」
という声を聞くより早く、おかく婆アは飛出し、突然仁助の胸倉を取り、横頬を擲倒す、打たれて仁助は不意に驚き、
仁「お母何をするんだ」
かく「何も糞もあるものか、よくのめ/\と来やアがった、手前が意地を附けたばっかりで忰を牢死させるようにしやアがって此奴」
と云いながら又打ちます。仁助は益々驚き、
仁「あゝ痛えよ、何にをするんだなア」
かく「何も糞も入るものか、此処へ来い、名主へ引いて往く」
とポカ/\打ちながら引ずり往き、樹蔭へ来ましたから、